研究の背景と目的
現代社会では日常的にマイクロストレスが生じやすく、手軽にできるストレス対処手段が求められています。サンスターはこれまでも、シトラスフレーバーの洗口液やとろみ付き洗口液によるストレス軽減効果に関する研究を進めてきました。これらの知見に基づき、場所や時間を選ばずに手軽に使用できるマウススプレーの利点に着目し、短期ストレス負荷時にマウススプレーの使用が自律神経に与える影響を検証しました。
研究対象者と方法
本研究では、健常な女性42名を対象に、香味付きマウススプレー条件(21名)と水条件(21名)に分けて実施されました。参加者には香味付きマウススプレー(アールグレイタイプ)または水スプレーを使用させた後、社会的評価付き精神的負荷計算課題(Montreal Imaging Stress Task、MIST)を用いてストレスを誘起しました。

生理評価として心拍数、心拍変動、皮膚コンダクタンスを測定し、主観評価ではストレス、快不快、疲労などの項目をVAS(Visual Analog Scale)により聴取しました。
研究結果と結論
主観評価においては、MIST実施後に「ストレス」や「不快感」、「疲労」の上昇、および「眠気」の減少、「課題への自信」の減少が認められましたが、マウススプレー条件と水条件との間に統計的な有意差は確認されませんでした。
一方、生理評価の結果では、MISTによるストレス負荷によって上昇した心拍数が、その後の安静時において、香味付きマウススプレー使用条件で水条件よりも有意に低下しました(p = 0.0014)。

同様に、ストレス負荷によって低下した副交感神経活動の指標である高周波(HF)成分が、安静時に高くなる傾向(p = 0.096)が確認されました。

これらの結果は、課題によって誘起された交感神経系の活動上昇からの回復が、香味付きマウススプレー条件においてより顕著であることを示唆しています。以上の結果から、マウススプレーの使用は短期的なストレス状態からの生理的回復を促進させ、口腔内のケアだけでなく心理的ストレスの回復にも有効的であることが示されました。
本研究の結果は、マウススプレーが口腔内の殺菌・口臭予防といった従来の目的だけでなく、日常生活における手軽なストレス対処手段としての可能性を持つことを示しています。これにより、ストレス社会に生きる人々のQOL(Quality of Life)向上に向けた新たなマウススプレーの開発が期待されます。
サンスターは今後も、オーラルケアと心身の健康を結びつける研究を重ね、その知見を製品開発に活かすことで、人々の健康と豊かな暮らしに貢献していく方針です。本研究は芝パレスクリニック倫理審査委員会の承認を受けて実施されました。
研究結果に関するコメント
サンスターグループ グローバル研究開発部 オーラルケアの青木絢子氏は、次のようにコメントしています。
「オーラルケア用品であるマウススプレーにストレス回復促進という新たな可能性を見出せたことは、大変興味深い結果です。ストレス回復促進効果が客観的データで示されたことにより、日常生活の中で無理なく取り入れられるセルフケアとしての活用が期待されます。今後も研究を継続し、科学的エビデンスに基づいた製品開発・健康増進への貢献を目指してまいります。」
学会発表概要
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学会名: 第28回日本感性工学会大会(2026年9月16日~18日、東京)
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演題名: マウススプレーを用いたオーラルケアによるストレス回復効果の検証
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発表者: 青木 絢子, 石川 真実, 大島 由行, 阪本 広志, 坂本 里絵
サンスターグループについて
サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中核とし、オーラルケア、健康食品、化粧品などの消費者向け製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・スイスSA(スイス)と、自動車や建築向けの接着剤・シーリング材、オートバイや自動車向け金属加工部品などの産業向け製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・シンガポールPte.Ltd.(シンガポール)を中核会社とする企業グループです。

「100年mouth 100年health」を掲げ、人生100年時代において、口腔の健康を起点とした全身の健康と豊かな人生の実現を目指しています。日々のオーラルケアが口腔だけでなく全身の健康にもつながるという考えのもと、一人ひとりが自分らしく輝いた人生を送るための口腔ケアの重要性を提唱しています。今後も口腔の健康を起点に全身の健康に寄与する情報、サービス、製品を提供し、人々の健康寿命の延伸に貢献していくことを目指します。
詳細については、サンスターグループのウェブサイトをご覧ください。

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