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2026年版第4回全国1万人従業員エンゲージメント調査速報:30代の孤立とインフラ産業の活力急落に警鐘

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2026年版第4回全国1万人従業員エンゲージメント調査速報:30代の孤立とインフラ産業の活力急落に警鐘

株式会社アジャイルHRと株式会社インテージが共同開発し、東京大学と共同研究を行った「A&Iエンゲージメント標準調査」の2026年版全国調査結果速報が発表されました。本調査は、2023年から4回目となり、日本における従業員エンゲージメントの要因分析と経年変化の分析を目的としています。

日本の従業員エンゲージメントの現状と課題

調査結果によると、日本の従業員エンゲージメントは世界的に見ても低い水準にあります。従業員エンゲージメントは、仕事を通じて得られるポジティブな心理状態である「ワークエンゲージメント」と、所属する会社や組織への愛着心である「組織コミットメント」の2つの概念を含みます。今回の調査では、ワークエンゲージメントが2.67であるのに対し、組織コミットメントは2.49と中間スコアを下回っており、組織コミットメントの低さが全体のエンゲージメントを引き下げる主要因となっています。

また、ワークエンゲージメントを構成する3要素(活力、熱意、没頭)の中で、「活力」が2.54ともっとも低い値を示しており、仕事から活力を得られていない実態が明らかになりました。

職場運営(マネジメント)の問題

従業員エンゲージメントに影響を及ぼす要因のうち、「仕事の資源」と「価値観・ビジョンの共有」が測定されています。仕事の資源は「仕事レベル」「職場レベル」「会社レベル」に分けられますが、特に「会社レベル」のスコアが2.39と低い結果となりました。これは、会社の制度や施策が職場での運用状況に大きく依存するため、職場運営、特に上司のマネジメントに起因する問題が大きいと考えられます。

仕事の資源と従業員エンゲージメントの全体像

フィードバックと学習機会の不足

仕事の資源の小項目では、「役割明確さ」(3.15)や「仕事の意義」(3.03)が高い一方で、「公正な人事評価」(2.29)と「キャリア形成」(2.31)がもっとも低いスコアとなりました。これは、職場におけるフィードバックと学習機会が不足していることを示唆しており、個人の動機付けと成長を阻害する要因となっていると推測されます。

ワークエンゲージメントに影響を及ぼす要因

属性別の傾向

年代別:30歳代の孤立

年代別に見ると、30歳代でワークエンゲージメント、組織コミットメントともに大きく低下しています。特に組織コミットメントの落ち込み幅が大きく、50歳代まで低水準で推移しています。一方で、60歳代以上のワークエンゲージメントは全年代で最も高い結果となりました。

年代別のワークエンゲージメントと組織コミットメント

役職・雇用形態別:上層部と現場の体感温度差、派遣社員の課題

正規雇用では、役職が高まるにつれてエンゲージメントが高まる傾向にあり、一般社員と役員の間には大きな差が見られます。これは、上層部と現場の体感温度が異なっている可能性を示唆しています。非正規雇用のうち、派遣社員の組織コミットメントの低さが顕著です。

役職別・雇用形態別のワークエンゲージメントと組織コミットメント

業種別:一次産業の躍進とインフラ産業の苦戦

業種によって従業員エンゲージメントに大きな差があり、「学術研究、専門・技術サービス業」が2.95ともっとも高く、「製造業」は2.41で3年連続最下位となりました。また、一次産業である「農業・林業・漁業、鉱業・採石業・砂利採取業」が第2位に浮上しており、社会的意義の明確さなどが好影響を与えている可能性があります。対照的に、「電気・ガス・熱供給・水道業」はワークエンゲージメントが-0.14と急落しており、経営層との信頼関係やキャリア形成に関する仕事の資源が大きく損なわれていることが明らかになりました。

業種別のワークエンゲージメントと組織コミットメント

従業員規模別:50人の壁

従業員規模が50人を超えると、ワークエンゲージメント、組織コミットメントともに大きく低下する傾向が見られます。特に「50~99人」規模では「会社レベルの資源」が全規模中で最も低く、属人的マネジメントから制度的マネジメントへの移行期に生じる「50人の壁」が課題として浮上しています。

従業員エンゲージメントの経年変化

全体的な傾向

従業員エンゲージメントは昨年よりも若干回復し、2024年と同等のレベルに戻しています。特にワークエンゲージメントの構成要素である「活力」が2025年の2.47から2026年には2.54へ改善を見せており、回復基調に入った可能性があります。

過去4年間のエンゲージメント(全国平均値)の変化

属性別の経年変化

  • 年代別:30歳代のワークエンゲージメントは低下が見られるものの、40歳代以降では改善しています。組織コミットメントは30歳代を除いて大きく改善しており、中高年のスコア向上が全体平均を押し上げています。しかし、20歳代以下と30歳代を比較すると、「会社レベルの資源」が急落しており、役職や裁量に乏しい30代が構造的な孤立に陥っている可能性が示唆されます。20歳代以下では「キャリア形成」や「公正な人事評価」が大幅に上昇しており、早期離職防止のための手厚い対応が考えられます。

    年代別エンゲージメントの前回比較

  • 職種別:正規雇用ではどの役職もスコアを上げており、特に部長クラスの上昇が顕著です。一方、非正規雇用は低水準に固定化されており、派遣社員の「個人の尊重」は4年間一貫して下落し続けています。

    職種別エンゲージメントの前回比較

  • 業種別:大半の業種でスコアの改善が見られます。一次産業が第2位に浮上し、情報通信業も急回復を見せています。しかし、社会基盤を支える「電気・ガス・熱供給・水道業」はワークエンゲージメントが-0.14と深刻な急落を記録しており、厳しい環境変化の中で組織運営の課題を抱えていることが推測されます。

    業種別エンゲージメントの前回比較

  • 従業員規模別:「300~999人」以外の従業員規模で改善が見られ、特に3,000人以上の大企業でスコアの上昇が大きくなっています。一方で、「50~99人」の企業群では「仕事のコントロール」が悪化しており、管理強化の反動により従業員の自己裁量が失われている可能性が推測されます。

    従業員規模別エンゲージメントの前回比較

調査概要

  • 調査期間:2026年3月16日(水)~3月23日(月)

  • 調査手法:インターネット調査

  • 調査対象:全国の15歳~79歳の男女 10,576人(インテージ マイティモニター登録者)

本調査の詳細レポートは、以下よりダウンロード可能です。

A&Iエンゲージメント標準調査について

「A&Iエンゲージメント標準調査」は、株式会社アジャイルHRと株式会社インテージが共同開発し、東京大学大学院医学系研究科の社会連携講座「デジタルメンタルヘルス講座」における共同研究を実施したエンゲージメントサーベイです。統計的・学術的な裏付けのあるデータを用い、従業員エンゲージメントとその影響要因、結果を科学的に測定します。個社の課題に応じたアクションプラン策定・執行支援サービスも提供されています。

株式会社アジャイルHRについて

株式会社アジャイルHRは、新時代のパフォーマンスマネジメントとキャリアマネジメントの実現を支援する企業です。OKRと1on1をサポートするクラウドサービス「WAKUAS」を中心に、研修サービス、360度フィードバック・エンゲージメントサーベイの導入・改革支援、人事制度改革のコンサルティングサービスを提供しています。

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